送電線の保護装置点検作業を行いました。
今回は、新入社員の教育研修もかねて行いましたので
通常の点検以上に、慎重に行いました。
この点検は3年に1回行われます。
この作業は、次の手順で行いました。
1 試験器材類の搬入をします。
2 試験器(簡易模擬故障試験器)を組み立てます。
3 電源(AC200v、AC100v、DC100v)の接続を行います。
4 カバー点検・清掃を行います。
5 各点検を行いました。
今回の作業で、新入生に注意したことは次の4点です。
1 準備作業
周辺装置は全て運転中なので、振動を与えないこと。
重量物試験器は腰を痛めないよう、二人で運搬をすること。
2 試験器の組み立て (不明な点は上司に聞くこと)
誤配線しないよう確認をすること。
締付けを確実に行うこと。
3 電源の接続
低圧感電に注意をすること。
極性をチェックすること。
フレーカーの動作確認をすること。
4 カバー点検・清掃
ガラス製であるため、破損させて怪我をしないこと。
スプリング等の細い部品にも留意すること。
研修期間は見学が中心であるが、監視があれば上記①~④程度の作業は
可能である。
基本を忠実に守り、不明な点は先輩に聞いて指示通り行ってください。
ZCT(零相変流器)と、DG(地絡方向継電器)の
組合せ試験をしました。
ZCTとは、地絡電流を検出し、リレーに取り組むものです。
DGとは、地絡事故を検出し、遮断器に"切"指令を出すものです。
この作業はZCTや、DGを取替えた時に行います。
ZCTとDGは相互関係が良い状態で効果を発揮します。
そのために、この組合せ試験が必要になります。
作業は、次の手順で行います。
1 ZCTにリード線を通す。
2 リレー盤を確認します。
3 試験器を組み立てます。
4 試験をします。
5 片づけをします。
この作業で、特に気をつけることは次の2点です。
・ 隣接が6.6kVの充電部のため感電しないように気をつける。
・ 試験回路を間違えてリレーを壊さないようにする。
作業時間はおよそ2時間ほどかかりました。
今回は、工事作業者の進捗状況に合わせて行いますので、
自分たちの都合で、作業を進めることができませんでした。
常に、周りに気を使いながら作業を進めます!!
この試験は、通常2年に1回行います。
変電所間の送電線は、線路保護(LP=ラインプロテクト)
というリレーで保護されています。
このリレーは、線路事故(短絡・地絡)が発生すると、
瞬時に異常を検出して、
遮断器(CB)に"切"の指令を出します(100ms程度)。
故障点を切り離し、停電範囲を最小限にするためです。
作業は、次のように行いました。
1 メガー測定
2 模擬故障試験
3 外部、一般点検
4 シーケンス試験(実CB結合)
この作業で特に気をつけることは、次の2つです。
・試験器と,被測定盤の入出力の正しい接続ができているか。
・過大入力に弱いリレーであるため、測定器のレンジおよび故障相、
位相切替スイッチ等の操作が正しいか。
作業時間はおよそ6時間ほどかかりました。
この試験は、線路保護(LP方式)の代表のひとつです。
そのため、当社の新人および中部電力からの研修者にも、
試験器操作を経験してもらいました。
このことで"さわって覚える"の基本が少しでも身についたと思います。
また、襲雷被害への多い回線であるため、
仕上がり時間や正常な接点などに、特に力を入れ点検を実施しました。
リレーの種類はたくさんありますが、メカ型リレー点検は少なくなっています。
今回のような模擬故障試験は大切にしたいです。
少ないチャンスを大いに生かそう!!
保護継電器(リレー)とは、発生した障害を波及させない
ため電気を遮断する装置です。
パイロットとは保護継電器(リレー)の中にある1つの種類です。
模擬故障試験とは、事故が起きたことを想定してする試験です。
この作業は、年間10回ほど点検をします。
作業手順は、次のように行います。
1 保護継電器盤の絶縁抵抗を測定します。
2 補助リレー等の内外部点検をして、変形・損傷・ネジのゆるみが
ないか確認します。
3 パイロット継電器が、時間管理値で正常に動作するのを確認します。
4 表示警報確認試験(シーケンス試験)を実施して、パイロットが
正常に動作するのか確認をします。
この作業は、およそ5時間くらいかかりました。
作業場所が狭く、試験器を設置するのに苦労しました。
電圧、電流のリード線の接続ミス、触れてはいけないものには
間違えないよう防護します。
作業場は狭いが、試験内容は大きいです!!